のらりくらり、くらり。

ねえグリッド、いま女王様に会いに行ったら怒るかな、多分怒るよね?
そわそわ、どきどきを隠せない声のニーナがわたしにそう訊いた。

「グリッド聞いてる? どう思う?」

聞いてるよ、声にして答えてみたけど伝わらなくて、ニーナは余計に困ったみたいだった。
きょうだい達みたいに絆で繋がっていたら、頭の中で考えて、それからちょっと尻尾を振るだけで通じるのに。
でもわたしはちゃーんとニーナの言葉を理解できてるから知ってる。ニーナは女王様が好きなんだって。
もちろんわたしも女王様が大、大、大好き、世界で一番大切だけど、ニーナの“好き”はそれとはちょっと違うみたい。どう違うのかはよくわからないけど、でも、そうなんだって!

わたしはニーナが好きだし、女王様のことを好きだって言ってくれるニーナならもっと好きだから、二人がもっと仲良しになればいいのになあっていつも考えてる。
この考えはわたしだけの秘密で、きょうだい達にも女王様にも打ち明けてはいない。
ニーナはわたしのおでこに顔をくっつけながらもごもご喋り続けてるけど、その声は少ししょんぼりしてるみたい。

「やっぱり怒るよねえ。昨日行ったときは邪魔だって尻尾で叩かれそうになったし……」

そんなの照れ隠しに決まってる! まったく鈍感なんだからってちょっと呆れて小さい肩を甘噛みしたら、ニーナは「くすぐったい」と笑顔を作った。
ほらほら、早く行っておいでよ。
だって頭の中で繋がってるわたしには解るの。
女王様が「あの人間は今日は来ないのか」ってそわそわ、どきどきしていることが。

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